根管治療でズキズキ痛み?歯科医が教える痛くても通い続けるべき理由

根管治療とは?
どんなときに根管治療を受けるべき?
どのくらいの回数で終わるの?
根管治療って痛いって聞いたけど本当?いつまで痛いの?
根管治療はドクターによって技術の差が大きいって本当?
「抜歯」が必要と言われたけど根管治療でどうにかなりませんか?

上記のような疑問や悩みを抱えていらっしゃる患者さんが多いようです。

ネット上でよく見られる「根管治療(歯内療法)はズキズキ痛む」といったコメントを読んで二の足を踏んでいる方も多いでしょう。

今回は、医療法人社団 正安会 いちかわデンタルオフィスの市川 勝理事長に、根管治療についてご意見をいただき記事監修していただきました。

市川 勝先生 いちかわデンタルオフィス

監修 市川 勝
医療法人社団 正安会 いちかわデンタルオフィス 理事長

日本歯科保存学会 認定医 日本歯内療法学会・日本歯周病学会 所属
東京医科歯科大学歯学部を卒業したあと、東京大学の口腔外科で研鑽を積む。「かぶせ物」「歯根治療」など専門分野に長けた歯科医師に師事。
2017年9月、新大塚に「いちかわデンタルオフィス」を開院。
専門はマイクロスコープを使った根管治療。

根管治療とは?

根管治療は歯内療法とも呼ばれ、歯の根の中にある神経の管を消毒して、炎症と感染を除去する治療です。

なぜ根管治療が必要?

歯槽骨の炎症と根管治療の必要性

画像引用:ライオンシステマ「歯槽骨」

虫歯や外傷などにより歯の中が細菌感染を起こした場合、歯根の中にある神経の管を消毒し感染除去することが必要

歯の根の中には、歯の栄養や感覚を維持するための神経・血管といった組織が存在します。

歯の中は通常であれば細菌が存在しない無菌的な状態です。

しかしながら、虫歯や外傷などにより神経が細菌感染を起こし、炎症や壊死が生じることがあります。

初期は歯根の中で細菌感染が進みます。

そして、時間が経つと歯の周囲の歯槽骨へ炎症が進行します。

歯槽骨とは、あご骨に歯の根がはまり込む穴を形作っている周辺の骨です。

歯槽骨の炎症によって歯槽骨の吸収が生じます。つまり、あご骨の一部が溶けていくわけです。

さらに周囲の歯肉まで炎症を起こしてきます。

これらの炎症を除去するためには、歯根の中にある神経の管を消毒し感染を除去することが必要です。

これらの治療を根管治療と呼びます。

どんな人に根管治療が必要なの?

以下のような場合に、根管治療が必要となります。

  • 深い虫歯により痛みが出ている
  • 過去の根管治療が奏功せず再度感染が生じている
  • 歯をぶつけたり、かみ合わせや矯正治療の関係で神経の壊死が生じている

歯髄(歯の神経)は何のためにある?

若年者であれば歯根の形成や成長のために歯髄は非常に大切な役割をもちます。

歯根が形成されたあとも、虫歯に対する抵抗力や免疫、温かい冷たいといった感じを得るための感覚の維持を行っています。

根管治療はどんな道具を使うの?

根管治療に使用するラバーダム

画像引用:FEEDデンタル

根管治療には、細菌を除去するための主な道具として唾液の侵入を防ぐラバーダム、ヤスリのようなファイル、根管を洗浄するための洗浄液が使用されます。

歯を口腔内から隔離し唾液の汚染から守るために、ラバーダムの使用は重要となります。

口腔内の唾液には感染の原因となる細菌が多数含まれます。

根管内に唾液が侵入することで感染がおこります。

これを予防するためにラバーダムと呼ばれるゴムのシートが必要となります。

また、細長い根管を治療するためのファイルと呼ばれるヤスリのような器具、根管を洗浄するための洗浄液が使用されます。

根管は非常に細く肉眼での治療には限界があります。

そのため歯科用の顕微鏡を使用して、患部がよく見える状態で治療を行うことが有用とされています。

根管治療に必要な期間と回数は?

根管治療に必要な期間と回数は?

根管治療に必要な期間と回数は、一度にとれる治療時間や歯の状況に応じて変わります。

1度で終わることもありますし、長い場合は3~5回かそれ以上かかるケースもあり得ます。

炎症の改善を確認するために、次の通院まで1週間程度治療期間を開けることもあります。

なぜ根管治療は治療回数が多くなるのですか?

歯根の本数が多かったり、炎症が強い場合には治療時間がある程度必要となります。

また、一度にとれる治療時間に制限があるためです。

歯の状態によっては炎症がひくのを待ってから充填をする必要があるため、複数回の治療が必要なことがあります。

根管治療は痛いって本当?

根管治療は痛い?

多くの方は根管治療についてネットで調べて、痛くて続けられないのではないかと心配するようです。

引き続き、医療法人社団 正安会 いちかわデンタルオフィスの市川 勝先生に気になる根管治療の痛みについて聞いてみましょう。

根管治療中は痛いの?

根管治療は、根の尖端付近を器具を使用して清掃をするため痛みがでることがあります。

抜髄の場合には歯髄が存在するため麻酔が必要となります。

抜髄とは、歯の神経(歯髄)を抜くことです。

「神経を抜きましょう」と歯医者さんに言われたら、それは抜髄のことです。

歯髄がない状態の感染根管治療の場合にも必要に応じて麻酔を行って痛みを和らげてくれます。

根管治療後にズキズキ痛むって本当?

痛みが起こらない人もいますが、根尖周囲(歯根の尖端)に刺激が加わることで数日間痛みがでることもあります。

噛むと痛いのは根管治療後にいつまで続く?

通常2-3日程度で落ち着きますが、炎症が強い場合には数週間程度持続することがあります。

根管治療は熟練した技術と設備が必要

根管治療は熟練した技術と設備が必要

根管治療には、器具の滅菌やラバーダムの使用など感染のコントロールに配慮した適切な治療環境が必要です。

また顕微鏡の使用がなければ適切な根管治療自体が困難なケースも多くあります。

器具の取り扱いにはある程度の訓練や技術に対する習熟が必要となります。

また、治療技術だけではなく、解剖や病態に対する適切な知識がなければ適切な診断が行えません。

治療を成功させるためには歯内療法分野にたいする適切な知識や相応の技術が必要となります。

すぐに神経を抜いてしまう歯医者には要注意

根管治療はどこの歯科医院でも最近は日常的に行っています。

「神経を抜きましょう」と、気軽に根管治療への移行を告げる歯医者さんも少なくありません。

しかし、根管治療を行うための機材や環境を準備するだけでも非常に手間がかかる治療です。

実は、ベテランの歯科医師でも誤った治療方法や対応を行ってしまうことがあります。

治療技術・器具への精通度・解剖や病態に対する知識治療など、歯内療法全体に通じた歯科医を選びましょう。

根管治療のおすすめ病院

全国の根管治療の得意な信頼できる歯科医の情報を以下でご紹介します。

医療法人社団 正安会 いちかわデンタルオフィス

今回記事の監修をお願いした市川先生が理事長を務められている医療法人社団 正安会 いちかわデンタルオフィスです。

東京・「新大塚」駅から徒歩2分というアクセスに恵まれ、精密根管治療におすすめの医院です。他院で上手くいかなかった治療や、歯や神経を残したいなど、根管治療に関して困られた方が多数来院して、治療を受けています。根管治療後の再発リスクを最小限にするために、ラバーダム防湿による感染コントロール、根管観察のための歯科用顕微鏡の使用など、技術や経験と共に歯内療法に関する幅広い知識を持っています。

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